部下をダメにする上司はなぜ一定の割合で存在するのか、その理由は組織の体制にあります。リーダーとしての自覚無きままに指導に当たり、主観的な指導で部下の才能を潰してしまうケースは決して珍しくありません。これは、指導に当たるリーダーが悪いわけではなく、リーダーを育成しないまま放置している企業側に問題があるでしょう。ここでは、リーダーの育成で押さえておくべきポイントを三つ解説しています。ぜひ人材育成にお役立てください。
リーダーを育成するには、部下のマネジメント方法を言語化し、客観的な視点を持たせることが重要です。人は「知らないことは受け入れないようにする」という現状維持バイアスがかかるので、突然の変化に弱いもの。いきなり指導者としての自覚が芽生えるわけではありません。プレイヤーとして活躍してきた社員に指導者のスキルを求めるのは難しく、研修を通して心構えを指導していく必要があります。
リーダーの育成には、社員のスキルの可視化が欠かせません。社員を育てるためにはリーダーがどこまで介入するか線引きが必要となりますが、社員のスキルが可視化していないと、必要以上に仕事の裁量を奪う恐れが出てきます。すべての社員の才能を可視化できれば、その人に見合った仕事の裁量を与えられるようになり、リーダーがどこまで介入すべきかが明確になるでしょう。
リーダーの選抜基準を決めておくと、素質のある社員がリーダーとして上に立てる環境が整います。リーダーに求められる力は大きく分けて五つ。意思決定の速さ・相手に任せる度量の広さ・リスク管理能力・組織とのビジョンの合致・顧客視点といった現場に馴染む能力です。日頃から社員のスキルを可視化しておけば、リーダーになる素質を持った人材をピックアップできます。
リーダーの育成には、すべての社員のスキルの可視化が欠かせません。リーダーになる素質を持った人材を見極めるためにも、リーダーが指導しやすい環境をつくるためにも、社員の能力の見極めが必要でしょう。とはいえ、すべての社員のスキルを可視化するのは容易ではありません。客観的にスキルを可視化したいのであれば、「才能診断ツール」など外部に頼るのも一つの選択肢です。
個を活かすも潰すも、マネジメント次第だといえます。リーダーには部下のマネジメントが求められますが、介入する線引きを明確にしておかないと部下を否定し続け自信を奪うだけの存在になりかねません。個の才能を引き出すには、リーダーとしての才能を引き出すところから始める必要があります。マネジメントについて、詳しくは下記の「タレントダイナミクス」よりご確認いただけます。