人の性格や、他人の性格を可視化できたら良いのに……と職場の人間関係構築に頭を悩ませていませんか。ここでは、人の本質や情動への理解を深められる診断ツール「エニアグラム」の特徴と、実際に試した感想をレポートにまとめています。社員の人材育成が上手くいかない際は、人材一人ひとりの理解を深めてみませんか。
エニアグラムとは、自己理解と自己受容を深め、豊かな人間関係を築くためのツールです。人を九つの性格に分類し、本能に関する3つの要素が与える影響を網羅的に捉えることができます。個人が能動的に動く要因を分析し、自分が自信のある能力を可視化させます。一人ひとりが持つ価値観が分かり、個人の伸ばすべきポイントが明確になるでしょう。また、ストレスが加わった際に、起こしがちな行動予測ができるため、サポートすべき場面が想定しやすくなります。
エニアグラムは、日本エニアグラム学会が発行している書籍・ワークショップで学ぶことができます。エニアグラムの簡易的な診断は、日本エニアグラム学会の公式サイトの「簡易タイプ診断」から実施でき、回答式チェック問題90問と三択式の文章問題に答えるだけで、性格タイプを診断できるようになっています。ワークショップに関しては、公式サイトのスケジュールに沿って開催中です。主に土日の10:00~17:00の時間帯に開催されています。
エニアグラムの診断では、自分の性格形成プロセスについて理解を深めることができ、自分が持っている資質に気づけるようになります。また、自分を受け入れる大切さや、心の動きに着目できます。タイプの違いを受容することで、自己成長に繋がるでしょう。不安に駆られた際にどこの感情が多く占めるかを可視化できるため、目を背けていた本質に向き合えます。
エニアグラムで分かる動機とは行動を起こす要因のことで、九つのタイプに分けて診断結果を提示しています。自分なりの基準がある・人の役に立ちたい・称賛を得たい・感動を味わいたい・物事の本質を見極めたい・仲間と認められたい・挑戦したい・存在意義を感じたい・協調し安定を保ちたいといった具合に、能動的になる要因を見極めることが可能です。
また、自己価値も同様に九つのタイプに分けて診断しており、自分は客観的・愛情深い・称賛に値する・感受性が強い・知的・責任感がある・幸せ・有能・安定的のどれに近いかを知るきっかけになります。さらに、上記のタイプ診断から、ストレスがかかった際の特徴を診断できます。本能で動こうとする・自身の感情を優先する・考えることを優先させる、という具合に3つの中から、ストレスが溜まった際に起こしがちな行動を予測できるでしょう。
ここでは、エニアグラムの導入のために、ワークショップに参加した方の口コミ評判を紹介しています。エニアグラムを通して、自分らしさを見つめ直すきっかけになったと、高く評価している方が多いようです。
避けていた部分を直視でき、
内省する機会になった
自分のあまり見たくないところ、見せたくないところを直視しなくてはならず、毎回疲労したなという気持ちです。自分らしさを見つめなおすことで、他者を認めて許すことも少しずつですができるようになってきたかな、とも思います。もっとエニアグラムを学びたいと思いました。
※引用元:エニアグラム公式HP
(https://www.enneagram.ne.jp/ws/basic)
自分を知るうえで避けて
通れないことを知ることができた
「本質」も「情動」も重要で、自分を本当に知る上でさけては通れないと思いました。タイプを迷っていましたが、確信することができました。
※引用元:エニアグラム公式HP
(https://www.enneagram.ne.jp/ws/basic)
自分の職場の人間や、採用面接に来た人の性格を明確に知りたい、そう思ったことはないでしょうか。とはいえ、通り一遍の性格判断では、テストして終わり、という結果になりがちです。
今回、個々の性格を九つのタイプに分類する「エニアグラム」を試してみました。
テストを受ければ自分がどういう人なのかが分類できるでしょう。さらに、エニアグラムは集団形成の際にとくに有用となります。この記事ではエニアグラムの概要、テストを受けてみた所感、向いているシーンについて述べていきます。
「やるからには、何事も、具体的に実現しなければやる意味がない」という項目から、自分が当てはまるかどうか考えながらチェックをつけていくことになります。
とはいえ、「どちらともいえない」「そんなこと今まで考えたことがなかった」というような問題も見受けられました。ただし、「どちらともいえない」という項目は設けられていませんので、思い切ってその場で判断するしかありません。その場で直感により判断するという要素がかえって信頼性を高めているのかもしれないと思いました。意識的な操作がなく、本当の性格が表れる可能性があります。
診断後、タイプ5「研究者」の星の数が一番多かったので、「研究者」の性格の解説を読んでみました。
ニックネームがつけられていて、私の場合は「ニックネーム:調べる人」だそうです。「物事をじっくりと考え、データを集め、慎重に行動します」と書かれていました。いわれてみれば、確かにそういう部分があると思います。
「沈黙していることが多いので、周囲はしばしば当惑します」という解説が当てはまりました。昔から無口でした。しかしこれは、母親と妹が非常に口達者でこちらがしゃべる隙がなかった、という環境の部分も大きいでしょう。
「身の回りのことには気が回らず、他のものを犠牲にしても考え」というのは、あまりにも極端です。このあたりは、性格の違いを際立たせるためあえてきつめの表現にしたのではと思われます。
このエニアグラムは、一人ひとりの性格を判断して「あなたはこういう性格ですね」というだけではもったいないポテンシャルを秘めています。
繰り返しになりますが、各性格タイプ間に優劣があるわけではありません。エニアグラムの肝は、それぞれの性格の優劣ではなく、組み合わせを考えられるという点です。つまり、組織改善の際、どのような性格タイプの人を組み合わせれば目標が達成できるのかが検討できるというわけです。
人の性格を九つの性格タイプに分類するツールである、エニアグラム。
もちろん個々人の性格判断にも使えますが、より重要なのはいろいろな性格タイプをもった人材の組み合わせを考えられる、という点です。組織で掲げた目標を達成したい、でもどのように人材を配置したらいいのかわからない……エニアグラムはそのような悩みを持つ人の有用なツールとなります。
戦略的に人材を構成して目標達成を目指せる、それがエニアグラムの存在意義なのです。